第12回口頭弁論期日

2020年7月6日(月)午後1時40分より、新安法制違憲訴訟国家賠償請求事件の第12回口頭弁論期日が開かれました。

第12回の期日では、朝長万左男医師の証人尋問と原告7名の本人尋問が行われました。

朝長医師は、被爆者であり、医師であり、核廃絶運動にたずさわってきた者という多様な立場から、原爆放射線の人体に与える影響や新安保法制成立によって自身や被爆者が受けた精神的打撃について証言して頂きました。

原告本人尋問では、7名の原告が人生背景を前提に新安保法制の成立によりどれだけの精神的苦痛を受けたのかについて語りました。

被爆者及び戦争体験者としての立場からは、被爆した時の悲惨な状況や自身の被爆体験を多くの若者に語り,戦争は二度としてはいけないと語ってきたことが述べられ、新安保法制が成立したことによって、再び戦争の時代になるのではないかという不安を感じるようになったり、これまで自分が若者に語ってきたことが否定されたように感じ、精神的苦痛を受けていること、日本国憲法が自分にとって一番大切な位置づけであり、新安保法制が成立したことによって、それが傷つけられたこと、戦争体験を思い出し、戦争が再び現実になるのではないかと強い恐怖を感じているということが話されました。

引揚者及び元中学校教師としての立場からは、悲惨な戦争体験とそれを踏まえた平和教育に力を入れてきており、新安保法制が成立したことによって、これまで自分が行ってきた平和教育が無になってしまい、また、この新安保法制により、戦争ができるようになり、自分の元教え子たちが戦争に巻き込まれることになるのではないかと大変心配しているということが話されました。

二世被爆者としての立場からは、二世被爆者として高校生平和大使など様々な平和運動に関わってきており、新安保法制について、過去の戦争の過ちを繰り返すもので、許すことが出来ないということが話されました。

牧師としての立場からは、人の命に寄り添うという信念から第二次大戦下における日本基督教団の責任についての告白を続けており、新安保法制が成立したことについて、小さな声がないがしろにされ、今までの活動が踏みにじられたということが話されました。

元県庁職員及び障害を持つ子の親としての立場からは、県庁勤務時代に自衛隊の初めての3軍統合演習が対馬で実施された時の経験、新安保法制について、自治体職員が有事の際に動員されるなどして戦争協力を強いられることになるなど強い憤りを感じ、また、いざ戦争が始まれば、福祉関係の予算は削られ、障害を持つ自分の子はどのように生きていけば良いのか不安を強く感じるようになったということが話されました。

原爆、平和をテーマにジャーナリストとして活動してきた立場からは、取材を重ねていく中で戦争を二度と繰り返してはならない強く思うようになり、新安保法制の成立は、自分のジャーナリストとしての人生を否定し、自分の存在を破壊するもので、決して許すことができないということが話されました。

 

次回期日は10月12日(月)15時からとなりました。次回期日では弁論の更新手続きに伴い、原告のこれまでの主張を要約して陳述する予定です。引き続きご支援のほどよろしくお願い致します。